[基本情報技術者/科目A/ハードウェア]主記憶とキャッシュメモリ

主記憶とキャッシュメモリ

 

主記憶の仕組み

主記憶はCPUから直接アクセスできる記憶装置でメインメモリ、またはメモリと呼ばれる。CPUが主記憶からデータを読み書きするときの区画が一定の区画ごとに番号が割り振られている。それをアドレス、または番地といい。アドレスを指定し、目的のデータを読み込んだり、計算結果を書き込んだりする。

 

DRAMとSRAM

主記憶はRAM（Random Access Memory）と呼ばれる半導体でできたメモリだ。RAMはDRAM（Dynamic RAM）とSRAM（Static RAM）に分けられる。

 

１DRAM

構成部品＝＞電気を蓄えたり放出する電気部品であるコンデンサ

価格＝＞安い　速度＝＞低速　容量＝＞多い

リフレッシュ＝＞必要　用途＝＞主記憶

２）SRAM

構成部品＝＞電気回路の一種であるフリップグロップ

価格＝＞高い　速度＝＞高速　容量＝＞少ない

リフレッシュ＝＞不要　用途＝＞キャッシュメモリ

 

＊SDRAM

DRAMの仕組みを発展させ、効率よくデータを転送できるようにしたもの。現在のPCに利用される。DRAMの一種。

 

＊リフレッシュ

DRAMのデータが失われないように電荷を補充するっこと。DRAMはコンデンサに電荷を蓄えることでデータを保持するが放っておくと放電してデータが消えてしまう。これを防ぐため定期的にリフレッシュする必要がある。

 

キャッシュメモリ

DRAMはCPUに比べると遅いので、その差を埋めるため、その間に高速なSRAMを介在させる。これがキャッシュメモリだ。CPUはデータを読み込むときにキャッシュメモリにアクセスして目的のデータがあれば主記憶にアクセスせずに高速にデータを読み込む。もしなければ主記憶にアクセスして目的のデータを転送し、キャッシュメモリにもコピーしておく。次に同じデータを読み出すときにはキャッシュメモリを利用する。

 

＊１次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリ

キャッシュメモリを複数使うと、CPUがデータをやり取りする速度が速くなる。アクセスする順番で1番が1次キャッシュメモリ、2番が2次キャッシュメモリといい。

 

実効アクセス時間

キャッシュメモリを使う場合の平均的なデータへのアクセス時間を実効アクセス時間といい。目的のデータがキャッシュメモリに保存されている確率をヒット率といい、時間を計算する。

 

＊実効アクセス時間＝キャッシュメモリのアクセス時間＊ヒット率＋主記憶のアクセス時間＊（１―ヒット率）

 

主記憶への書込み

CPUがキャッシュメモリを使って主記憶にデータを書き込む方法は２つがある。

１．ライトスルー方式

キャッシュメモリと主記憶に両方に同時に同じ内容を書き込む。高速ではないが、キャッシュメモリと主記憶の内容が非常に一致する。

２．ライトバック方式

通常はキャッシュメモリに書込み、キャッシュメモリの容量がいっぱいになると使用頻度の低いデータを追い出し、主記憶に書き込む。そのため、CPUから主記憶への書込み頻度を減らすことができる。データの書き込みは高速化できるが、キャッシュメモリと主記憶の内容が不一致になる。

 

＊ディスクキャッシュ

磁気ディスクは主記憶に比べて、データの読み書きの速度が非常に遅いため、よく使うデータを主記憶にコピーしておき、処理を高速化する。この技術をディスクキャッシュといい。